2023年3月10日
【気になるニオイは脇汗が原因?】ワキガの特徴や原因について解説。手術で治る?対策方法や有効な治療法も
においの問題は自分では気づきにくく、人にもなかなか相談できないものです。この記事ではワキガの特徴や原因を解説しています。「もしかしてにおってる?」と感じているのであれば、自分と当てはまるかどうかチェックしてみましょう。ワキガのにおい対策や治療方法についても紹介しているので、今後の参考にもしてください。
【気になるニオイは脇汗が原因?】ワキガの特徴や原因について解説。手術で治る?対策方法や有効な治療法も - 目次
ワキガとは
特有な強いにおいを発生させる汗を分泌する体質です。医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)と呼ばれています。病気ではないので治療の必要はなく、放置していても健康への被害はありません。しかし、においに対して周囲の人が不快に感じると、対人関係で悪影響をきたすことがあり、生活に支障を感じる場合には治療が可能です。
ワキガの原因は汗の成分と細菌
ワキガのにおいは、汗の成分が皮膚の常在菌によって分解されるときに発生しますが、ワキガのにおいはアポクリン腺の汗が原因です。
汗には、においを発生しにくい「エクリン腺」が分泌する汗と、においを発生させる成分を多く含んだ「アポクリン腺」が分泌する汗の2種類があります。
エクリン腺は全身にあり、体温調節や精神的な刺激で発汗します。エクリン腺の汗は少しだけミネラルなどが含まれていますが、ほとんどが水分でサラサラとして蒸発しやすくにおいが発生しにくい性質です。
アポクリン腺はわきの下や陰部、へそや乳輪など部分的にあり、性ホルモンの影響で分泌されます。アポクリン腺の汗にはにおいの元となる脂質やタンパク質などを多く含んでおり、ベタッとしていて肌にとどまりやすい性質です。
汗がいつまでも肌にとどまっていると、細菌が汗の脂質やタンパク質などを分解してワキガ特有の悪臭を放ってしまいます。
遺伝
ワキガは親から子へと遺伝する体質です。片親がワキガでも高い確率で遺伝しやすいのですが、両親ともにワキガであればさらに高確率で子どももワキガを発症することが分かっています。
ワキガの人はアポクリン腺の数が多くサイズも大きいため、汗の分泌量も多くなります。このアポクリン腺の数を受け継いだ状態でこどもは生まれてきており、成長によって数が増えたり減ったりはしません。
ワキガ体質は人種によっても差がみられ、日本人をはじめとするアジア系の人種にはワキガ体質の人は少なく、白人や黒人はほとんどがワキガ体質です。
ワキガの特徴
エクリン腺の汗も放置していいると、汗の酸っぱいにおいがしますが、ワキガはただの汗臭いにおいとは違い独特なにおいで強いです。また、特定の時期に発症しやすい特徴もあります。
特有のにおい
ワキガのにおいには特徴があり、汗に含まれる成分によっていくつかのタイプに分けられます。また、においの強さからもワキガを見分けられます。
代表的なにおいは「硫黄臭」「スパイシー臭」「酸臭」「生乾き臭」「鉄臭」「ミルク臭」などがありますが、ほかにもさまざまなにおいの種類があります。
においが混ざり合って判別できない場合もありますが、特徴的なにおいを発している場合はワキガの可能性が高いでしょう。
アポクリン腺が汗をたくさん分泌すると強いにおいを発生しますが、乱れた生活習慣や偏った食事などでもにおいがきつくなってしまいます。しかし、ワキガのにおいに自分で気づいている人は意外と少なく、においがない人のほうがワキガを気にしている傾向があります。
発症する時期
人によってワキガを発症する時期は異なりますが、性ホルモンが活発に分泌され始める思春期にワキガを発症することが多いです。
思春期は二次性徴で性ホルモンの分泌が活発になっていて、アポクリン腺が刺激されて汗の分泌量が増える時期です。思春期以降「耳垢がベタッと湿っている」「衣類の脇のあたりに黄ばみができる」といった変化がある場合も、ワキガを発症してる可能性があります。
においの強さをチェック!
ワキガはにおいの強さによって重症度が判別できます。症状の強さによって、治療を検討するべきかどうかも分かります。
クリニックでは、数分間、脇にガーゼをはさんで、医師がにおいをチェックする方法が一般的です。
ガーゼのにおいがほとんど気にならない程度であれば、基本的にワキガ治療の必要はなく、市販のアイテムなどのにおいケアで対策できます。
軽度:ガーゼに鼻を近づけると分かる
軽度は、脇などに近づいてにおいが分かる程度で、更衣のときに自分でにおいを感じることはあっても第三者が不快に感じることはほとんどないレベルです。
ワキガ治療の対象ではありますが、においケアで改善するのであれば無理に治療を受けなくてもかまいません。市販のものを使うなら「医薬部外品」や「薬用」と表記されたワキガクリームがおすすめです。
中度:ガーゼに鼻を近づけなくてもにおいに気づく
中度は、近距離で会話をするときににおいを感じる程度で、離れていれば分からないレベルです。
ただし、狭い空間や密閉された場所ではにおいがこもって、第三者が不快に感じるかもしれません。また、薄着になる夏場には脇からダイレクトににおいが届くので、においを感じやすいでしょう。
ワキガの治療は希望すれば受けられますが、保険適応にはならないケースが多いです。ワキガの治療はいくつかあり、ダウンタイムや持続期間など自分に合った方法を選んで受けられます。
重度:ガーゼをにおわなくてもにおう
重度になると、離れた場所でもにおいに気づくほどのレベルです。上着を着ていてもかなり強いにおいを発生させていて、第三者が不快に感じるでしょう。
においケアをしてもほとんど改善されず、生活に支障をきたしていると感じているなら早めのワキガ治療が必要です。
自分でできるワキガのにおい対策
ワキガのにおいを抑えるには、汗の成分が細菌に分解される前に先手を打つことです。また、生活習慣を見直して、ワキガのにおいを増強させる要因を取り除くようにしましょう。
・汗をかいたらすぐにシャワーで流す、汗吹きシートでふき取る
・汗をかく前に制汗剤やワキガクリームなどを使用する
・速乾性のある下着を着用する
・脂質を抑えた食事を意識する
・適度の運動をして汗をかく習慣をつくる
・飲酒や喫煙を控える
3つの有効なワキガ治療が選べるサリアクリニック
サリアクリニックでは、ワキガ対して効果的な3つの治療方法を行っております。どの治療もはっきりと効果が感じられ、満足感の高い方法です。
カウンセリングでお悩みや生活スタイルなどをうかがいながら、適した方法を一緒に決めていきますのでご安心ください。
手術以外の有効な治療法
手術の傷やダウンタイムがどうしても気になるという方には、手術以外にもワキガを治す方法があります。
ミラドライ
ミラドライは患部にマイクロ波を照射して、熱によるダメージで汗腺の発汗機能を停止させる治療です。壊れた汗腺が再生することはなく、再発の心配はありません。
中度から重症のワキガと多汗症の治療ができ、手術のように切らない方法なのでダウンタイムはほとんどなく治療直後からにおいと汗が減ったのを感じられます。重度のワキガの場合は、効果が定着する半年後に2回目の施術をするとより効果的です。
ボトックス
ボトックスはボツリヌストキシンという毒素を用いた治療で、軽度のワキガや多汗症の治療に用います。汗腺に神経から発汗の指令が届かないようにして汗の量を抑えます。ダウンタイムはほとんどなく、注射して数日後から汗の量が減ります。
効果の持続期間は6か月程度ですが、定期的に注入すれば1年にわたって汗をコントロールでき、夏の間だけ汗を止めたいという方にもおすすめです。
ワキガを根本から治す手術
根本的なワキガ治療ができるのは手術です。ワキガ手術にはいくつか種類がありますが、サリアクリニックでは高い効果が期待できる「反転剪除法(はんてんせんじょほう)」を行っております。
脇の中央を約4cm切開し、皮膚を反転してアポクリン腺を確実に切除していく方法です。手術後は1~2週間は腕を安静にする必要がありますが、シワに沿って切開し丁寧に縫合することで傷は目立ちにくくできます。
当院では、ワキガのにおいが軽度以上であれば手術を受けられます。クリニックや症状によって保険適応の範囲が異なるため、事前に確認しておきましょう。